相手に同調して話を聞くと信頼感が醸成される
- 2019.10.07
人は自分と同じ声の大きさやトーン、スピード、ペースの人に好感をもちます。
「なんだか、自分と似ているな」と親しみが湧くからです。
相手と同調していると、「あの人とは波長が合う」「あの人とは ペースが合う」「あの人とは息が合う」という状態になるのです。
この状態を心理学用語では「ラポール」といいます。
ラポールとはフランス語で「橋を架ける」という意味です。
電話クレーム対応のプロは電話の向こうのお客様が興奮して怒っているときには、こちらも興奮したように、「そうでしたか! それはそれは本当 に本当に申し訳ございません!」とまずは相手のトーン、スピー ド、ペースに合わせながら話に同調し、徐々にトーンを抑えながら冷静な話に誘導すると相手の怒りはおさまるというのです。
最初は相手のトーンやスピードにペースを合わせ、その後に相手を自分のペースに誘導するテクニックは、「ペーシング&リー ディング」と呼ばれています。
たとえば日常でも「この間ね、すごい面白いことがあってさ!」とハイテンションで話しているときに、相手が冷めた表情で聞いていたら、「この人には話してもムダだ」と拍子抜けしてしまいます。
でも、相手が「何があったの? 教えて!」と同じテンション で話を聞いてくれたなら、きっと嬉しくなるはずです。
だから、お客様と接するときも相手と心理的に良好な関係を築 こうと思うなら、まず相手のトーン、心境、心の状態に合わせるとうまくいきます。
これはそれほど難しいことではありません。
・ 相手が早口ならこちらも早口で答える。
・ 相手が手振り身振りを交えて話しはじめたら、こちらも手を広げて驚いてみせる。
・ 相手がボソボソっと話しはじめたら、こちらも声をひそめる。
・ 相手が陽気な話で笑っていたら、こちらも陽気に笑う。
・ 相手がまじめな話をしだしたら、こちらも神妙に聞く。
・ 相手が困っていたら、自分も一緒にその悩みを共有する。
まず、相手に合わせて心の架け橋(ラポール)を作ってから、その後、徐々に自分のペースに戻します。
そうするとこちらの言い分が通りやすくなります。
いかがでしょうか。
お客様と接するときは、相手のトーン、心境、心の状態に合わせ て、相手に同調するように話を聞いてみてはいかがでしょう。