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赤ちゃんの愛らしさを広告に活かす

2019.09.11

赤ちゃんの愛らしさを広告に活かす

日本人の徳性を表す行為でよく引き合いに出されることに、多額の現金が入った財布を拾ったとき、警察に届ける人が多いというのがあります。

欧米では日本より落とした財布が戻ってくる確率は低いと言わ れたりしますが、世界規模で落とした財布が戻る確率を調べた調査結果があるわけではないので、特に日本がすぐれているという 証明はできないのが実際のところだと思います。

ところで面白いことに、イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンが、落とした財布が戻ってくるには何か条件があるのだろうかという実験を行っています。

ワイズマン博士は、人通りの多い場所に財布を落として、どれ くらいの割合でそれが戻ってくるかを調べました。

そのとき、複数の財布を用意し、それぞれ次のような写真を入れておきました。
「かわいい子犬の写真」
「笑顔の赤ちゃんの写真」

さて、あなたはどの写真が入った財布の戻り率が一番高かったと思いますか?
(実際の実験はもう少しバリエーションがあるのですが、わかりやすくするために単純化しています。)

その答えは、笑顔の赤ちゃんの写真の入った財布でした。

このことについて、ワイズマン博士は次のように分析しています。

私たち人間が無防備で天使のような笑顔の赤ちゃんを見ると気分が良くなるのは、種の保存を目的としてその赤ちゃんを助けたくなるように進化しているかららしいということです。

笑顔の赤ちゃんの愛らしさにより親切心が自然と醸し出されるという人間の習性により、財布を戻すという行為につながるというのです。

私自身はこの説にかなり懐疑的です。
というのも地域や宗教によって乳児に対するイメージが異なる、という点と調査したのが心理学者であるという点です。

心理学者の本は沢山読んできたのですが、滅茶苦茶な学者も多く、学問としての体系を基に自論を発表しているとは思えないからです。

とはいえ、リチャード・ワイズマンの実験結果は間違いなさそうですので、硬い雰囲気を和ませる程度の効果はあるかも知れません。

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