理想の姿になるトレーニング方法
- 2019.12.20
昨日のモデリングの続きです。
モデリングは、憧れのスポーツ選手のプレーを真似して、その人と同じようなプレーができるようになるといった自己成長の促進などに活用できる心理理論です。
一方で、他者の攻撃行動を観察することで攻撃性が促進されると唱える説もモデリング理論の一面としてあります(元アメリカ 心理学会会長アルバート・バンデューラによる実験検証)。
イメージの影響に関して、心理学者であるアプ・ダイクスター ハウス博士が次のような実験をしています。
大学生に難しいクイズに答えてもらいます。
半分の学生にはクイズに答える前に自分が大学教授であることをイメージしてもらいます。
残りの半分には自分がフーリガン(注:サッカー会場で暴徒化しサポーターの集団)であることをイメージしてもらいます。
学生は全員同じくらい成績優秀な生徒ですが、結果は次のとおりになりました。
・大学教授をイメージした学生の正解率 55.6%
・フーリガンをイメージした学生の正解率 42.6%
イメージしただけで正解率には10%以上の差が出ています。
パフォーマンスのレベルというのはもちろんその人の能力にもっとも影響を受けるわけですが、一方ではイメージからも多くの影響を受けるということです。
ということは、ここ一番の大事な商談、プレゼン、契約交渉の前には「自分がそうありたい人」をイメージして、その場に臨むとパフォーマンスに影響が出る可能性が高まるということです。
「自分がそうありたい人」たとえば、TEDの会場で堂々と発表するプレゼンターと同じように振る舞う様子をイメージすることで、心理的に影響を受けて、それが身体の動きや態度に変化をもたらし、内面から表出するエネルギーやパワーも変わってきます。
「笑っている自分」をイメージすると、実際の自分も陽気な気分になり口角も上がってくるような感じと一緒です。
とはいえ、あくまで限定的な実験に基づく理論なので盲信は禁物ですが…