人類最大の過ち
- 2020.01.15
ピューリッツァー賞を受賞した「銃・病原菌・鉄」の作者として有名な生物学者、ジャレド・ダイアモンドさんのエッセイによると
人類最大の発明のひとつ「農業」こそ人類最大の過ち
だというのです。
どういう事なのか説明していきます。
今からおよそ1万年前の狩猟採集民は1日2〜3時間の狩猟でクオリティーの高い食料を得ることできていました。
現在も狩猟採集民として生活している民族を調べると食料の確保に使う時間は1日2〜3時間だという研究結果がでています。
そして彼らは様々な動植物を摂取することで非常に栄養バランスの良い食生活をしています。
現在の狩猟採集民は土地を追われ、生き辛い環境の中で、この食生活を実現できていることから、昔はもっと短い時間で高クオリティな食生活をしていたと予想されています。
農業がはじまった頃の平均身長が160cm程であるのに対し、それ以前の狩猟採集民が175cm程であることからも高クオリティな食生活が推察できます。
加えて農業では飢饉や作物の出来によって食生活のクオリティーが大きく左右されてしまいます。
また、定住することで人同士が、多くの家畜が一緒暮らすことにより、当時のトイレの環境を考慮すると家畜から人へウイルスが感染するリスクが増え、病気が発生した際に被害が大きくなってしまうことも特筆すべき点と言えるでしょう。
さらに、定住したことで不平等が生まれたとも考えられます。
肥沃な土地に住む人々は比較的シンプルに作物を得ることができ、そうでない人々との格差が生まれてしまいました。
この格差は今なお是正されることなく「持つ者」と「持たざる者」を分けていますよね。
ただ、この考えは個人の幸福感に基いた場合の「過ち」であって、種としての繁栄、という観点から見ると農耕や定住は正しい道だったと捉えられるでしょう。
ただし、増え過ぎなければの話ですが…
さて、我々は種としての繁栄を目指すべきなのか、個人の幸福を追求すべきなのか。
あなたならどちらを選ぶでしょうか。
TEDで披露されたジャレド・ダイアモンドさんの「文明崩壊はなぜ起こるのか」もとても面白いので、お時間があればぜひ。