実在した危険な宗教団体
- 2020.03.27
世界には色々な宗教があり、メジャーなところでは、キリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教、仏教が有名ですよね。
しかし、これらの宗教とは違い、行き過ぎた教義で危険視されている宗教も数多く存在します。
ここでは、実在した2つの危険な宗教団体をご紹介します。
■ヘブンズ・ゲート
ヘブンズ・ゲートはアメリカのカリフォルニア州サンディエゴを拠点とした「UFOを信仰する」宗教団体です。
この宗教の教義はヨハネの黙示録やキリスト教の教えに基づいて、人間を高次元の存在へ進化させる、というものだったそうです。
ですが、この教義には、オカルト的な要素が多分に混じっており、地球は間もなく終りを迎え、ヘブンズ・ゲートの教えを信じるものだけが、ヘール・ボップ彗星からUFOが迎えに来て新世界に旅立つことができる、と主張していたそうです。
SF好きの若者を中心に信者を増やしていき、信者たちは物質的なものを捨て、非常に禁欲的な生活を送っていたとされ、すべてのものが共有されていたそうです。
教祖を始めとして、幹部たちは禁欲的な生活を送りやすくするため、自ら去勢していたと言われています。
1996年、ヘール・ボップ彗星に謎の物体が確認できたことから、UFOが迎えに来たと考え、教祖と38人の信者たちは集団自殺を図りました。
■人民寺院
1955年、アメリカインディアナ州インディアナポリスで創設されたキリスト教系の新宗教です。
創設者のジム・ジョーンズは人民寺院を通じて人種平等を訴えながら、その一方で、キリスト教徒と共産主義や社会主義の考え方を組み合わせた自身のメッセージを広めるために教団を使っていたとされています。
人民寺院は確実に信者を増やし、アメリカ各地に支部を設け、教団創立16年目には約7500人まで信者の数を増やしました。
しかし、教団が成長するとともにジム・ジョーンズは狂気に囚われ、教団内部では強制労働、暴力、女性への暴行が当たり前に横行し、自殺が頻発し、脱退者も相次いでいたようです。
1977年、雑誌がジム・ジョーンズと教団の実態を暴く記事を掲載しました。
内容は、元信者10人がジム・ジョーンズの本当の姿を暴露する、というものでした。
この記事をきっかけに、ジムは残った信者と共に南米ガイアナ共和国へと逃亡し、ジャングルの中に教団を移しました。
そこで約1000人の信者とともに、外部との接触を遮断した自給自足の生活をはじめ、ジョーンズタウンと名付けました。
ジョーンズタウンには学校や診療所、託児所もあったそうです。
しかし、元信者や信者の家族は議会に調査を依頼し、下院議員レオ・ライアンと元信者たちが調査に赴くことになりました。
現地に到着したライアン議員は信者から「教団を抜けたい」という助けを求めるメモを渡されます。
ジョーンズタウンには新聞、テレビ、ラジオなどのメディアはなく、隔絶されたジム・ジョーンズの独裁国家だということが明らかになります。
信者は男女別々に生活させられ、禁欲を強制され、子どもは親から引き離されたそうです。
そして、ジム・ジョーンズに忠誠を誓わなければ、容赦ない拷問が科せられたと言います。
ライアン議員は教団からの脱出を願い出た16名の信者たちとアメリカに帰国しようとしますが、飛行機に乗り込もうとした際、信者の1人が銃を乱射します。
これによりカメラマンや信者、ライアン議員を含む視察団に多数の死者がでました。
銃を乱射したのはジム・ジョーンズのスパイだったと後に明らかになっています。
この惨劇から40分後、ジム・ジョーンズとその信者たちは毒を飲み、集団自殺します。
この集団自殺で918人が亡くなったと言われ、そのうち、276人が18歳以下の子どもだったと言います。
毒を自分で飲めない乳幼児や背中を撃たれた他殺体もあったそうです。