シェルドレイクの仮説
- 2020.04.10
シェルドレイクの仮説はイギリスの生物学者、超心理学者のルパート・シェルドレイクが唱えた仮説のことを指します。
現状ではメインストリームサイエンスからは疑似科学として、ほとんど無視されているものですが、誰しもが不思議に思ったことがあることに可能な限り科学的なアプローチで根拠を示そうとする仮設です。
仮設の内容は以下の通り。
1. あらゆるシステムの形態は、過去に存在した同じような形態の影響を受けて、過去と同じような形態を継承する。
2. 離れた場所に起こった一方の出来事が、他の出来事に影響する。
3. 形態のみならず、行動パターンも共鳴する。
4. これらは、「形の場」による「形の共鳴」と呼ばれるプロセスによって起こる。
簡単に言えば、「直接的な接触が無くても、ある人や物に起きたことが他の人や物に伝播する」とする仮説のことです。
過去にあったこととそっくり同じことが再現されてしまったり、偶然の一致が、確率論では到底考えられない高い頻度で起こったり、それまでどうやっても不可能と思われていたことが、誰かが一度成功すると容易にできるようになるという例は多いです。
たとえば、なかなか破れない世界記録が、一度記録が破られると、次々と記録が破られたり、飛行機が墜落すると、世界中で同じ事故が起こったりします。
一方、記憶はどうやら脳がメモリーしているようだけれど、メカニズムはよく分かっていません。
これについて、シェルドレイクは記憶は脳ではなく、別の場所に保存されていると考えました。
人間の脳は受信機のようなもので、例えば、記憶喪失になった人が時間の経過とともに過去のことを思い出せるようになるのは、受信機(脳)が治ってきたから再度外部に保存された自分の記憶にアクセスできるようになるからだ、と考えました。
そして外部に保存された記憶には無意識にすべての人がアクセスしていると考えていたようです。
これによって、先述したように確率論では到底考えられない偶然の一致が起こると説いています。
スポーツの世界では年々タイムは縮まり、年々技の難易度が上がり続けます。
このとき、なぜか1人が出来るようになると、同時期に他の競技者も出来るようになることが実に多いです。
現代では情報が広まるのはとても早いですが、トップアスリートの感覚まで情報化出来るわけではありません。
日本では、100mを10秒を切って走れる可能性が高いアスリートが、突然同時期に何人も出てきました。
シェルドレイクの仮説に習うと、中国の選手が10秒の壁を破ったことによってアジア人のアスリート全体の底上げがされた、ということになります。
シェルドレイクがこの仮説を発表したとき、世界的に権威のある科学雑誌「ネイチャー」は「もし焼き捨てるべき本があるとすれば、この本をおいてほかにない」と酷評しましたが、この発言は科学的ではありませんよね。
本物の科学は可能性を決して閉じたりしないからです。