ざっくりピタゴラスの歩み
- 2023.05.01
万物は数なり。-ピタゴラス
ピタゴラス(前580頃~前500頃)は、古代ギリシアで宗教結社を創設しました。
このピタゴラス教団(「ピタゴラス学派」とも)の団員は、数学と科学を学ぶことで神に近づくことができると信じていました。
強い信仰心で結ばれた弟子たちは、有名なピタゴラスの定理をはじめとし、幾何学などの数学分野における基本的な論理を発展させました。
このことから、ピタゴラスは「数学の父」のひとりと認識されるようになりました。
ピタゴラスは現在のトルコの沿岸近くに位置するサモス島に生まれ、40歳ごろに南イタリアのクロトーン(現クロトーネ)へ移住しました。
そしてピタゴラス教団を創設したのち、弟子たちと共に、ギリシャ語圏だった南イタリアの都市メタポンティオンに移住しました。
ピタゴラス教団の中心となる信条に、輪廻転生があります。
ピタゴラスは、魂は永遠に不滅だが、肉体が死んだあとに理想的な輪廻転生を遂げるには、一定の規則に従う必要があると唱えました。
弟子たちが従った規則の中には、神殿で履物を履かないこと、白い雄鶏に触れないこと、履物は右足から履くこと、けっして豆を食べないこと、などがありました。
またピタゴラスは、数学を学ぶことは宗教上の義務であると信じていました。
ピタゴラス教団の数学者は、ピタゴラスの定理として知られる三平方の定理「α²+b²=C²」(直角三角形の斜辺の長さの平方は、常に他の二辺の平方の和に等しい)の証明を行いました。
また、無理数(分数の形で表すことのできない実数))や平方根の概念も生み出しました。
ピタゴラスの生涯についてはほとんど分かっていませんが、彼の死後、ありそうもない話がいくつも出てきました。
例えば、彼は月に字を書くことができた、タイムトラベルができた、といったものです。
弟子たちは、ピタゴラスの死後何世紀にもわたって活躍を続けましたが、やがて教団は衰退していきました。