マルチタスクは非効率的
- 2019.05.14
少し前まで色々なことを同時にこなせる方は評価されていましたし、本当に可能ならば称賛されるべき能力でしょう。
しかし、マルチタスクのメリットは理論上のもので、実際には様々なことを同時に100%の集中力を持って遂行することは不可能です。
複数の業務を同時並行しながら得た情報は記憶として定着しない、とも言われています。
単純作業のマルチタスクであれば、単純習得として記憶に保存されるようですが、長期記憶を必要とする業務には向いていません。
つまり、マルチタスクで集中力を伴う業務を行うと、その方の経験として保持されない可能性がある訳です。
一つの集中事項にのみに注力すれば、脳の長期記憶を司る部分が活発になり、記憶は長期間保持され、経験として定着します。
マルチタスクは一つのことに集中するよりもストレスを溜めやすいとも言われており、これによって短期記憶まで悪化させ、努力に見合った成果を出しづらい状態に置かれてしまいます。
例えば、国語・英語・数学の授業を同時に進められても身に付くのはほんの一部、というと分かりやすいでしょうか。
実際には、仕事は色々なことが同時並行で進むと思いますが、時間を区切って、「この時間はこれに集中する」と良いでしょう。
■今回ちょっと真面目すぎたので、関係ない小話を
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」で有名な福沢諭吉ですが、そもそもこれはアメリカ独立宣言の中の一節を引用したようですし、実の娘が結婚相手を連れてきた際に「お前と娘とでは身分が違う!」といって追い返した、という逸話が残っています。
言ってることとやってることが…
1万円札の肖像お疲れ様…
参考文献:「The Myth Of Multitasking」https://www.amazon.co.jp/Myth-Multitasking-Doing-Gets-Nothing/dp/0470372257