ざっくりマンハッタン計画

2023.08.15

ざっくりマンハッタン計画

マンハッタン計画とは、第二次世界大戦中にアメリカ、イギリス、カナダが共同で行った原子爆弾の開発計画です。

この計画は、ナチス・ドイツが先に核兵器を開発することを恐れた科学者たちの提案によって始まりました。

ナチスドイツも原子力開発を行っていましたが、アメリカよりも遅れていました。
その理由としては資源の不足や研究者間の競争や非効率な管理などがあげられます。
ナチスドイツでは主に天然ウランを使って原子炉の実験を行っていましたが、臨界状態に達することはできませんでした。
一方アメリカはプルトニウムを使用することで原子爆弾の開発を成功させました。

計画の名前は、当初の本部がニューヨーク・マンハッタンに置かれていたことに由来します。

マンハッタン計画では、以下のような活動が行われました。

・ウランやプルトニウムといった核分裂物質の生産や濃縮。
・原子炉や加速器といった核反応を起こす装置の設計や建設。
・ガンバレル型や爆縮型といった原爆の設計や試験。
・原爆を運搬や投下するための航空機や部隊の準備。

マンハッタン計画は、1945年7月16日にニューメキシコ州で世界初の原爆実験（トリニティ実験）を成功させました。

その後、8月6日に広島市にリトルボーイ、8月9日に長崎市にファットマンという二つの原爆が投下されました。

これらの原爆投下は、日本の降伏と第二次世界大戦の終結に大きな影響を与えましたが、同時に数十万人もの人々が死亡し、多くの人々が放射能被害に苦しみました。

マンハッタン計画は、科学技術や軍事戦略における歴史的な出来事であり、その影響は今日まで続いています。

しかし、その過程や結果には多くの倫理的や人道的な問題も含まれています。

マンハッタン計画とアインシュタイン

この計画は、ナチス・ドイツが先に核兵器を保有することを恐れた亡命ユダヤ人物理学者レオ・シラードらが、1939年にアインシュタインの署名を借りてルーズベルト大統領に信書を送り、核兵器の可能性と危険性を警告したことがきっかけでした。

アインシュタインはこの手紙の作成に関与しましたが、その後のマンハッタン計画には参加していませんでした。

彼は政府からその政治姿勢を警戒されており、計画の詳細も知らされていませんでした。
アインシュタインは原子爆弾の使用に反対しており、1945年に広島と長崎に原爆が投下された後、核兵器の国際的な管理や廃絶を訴える活動を行いました。

マンハッタン計画とオッペンハイマー

マンハッタン計画の科学部門のリーダーはロバート・オッペンハイマーでした。

彼は理論物理学者として優れた業績を上げており、特に宇宙物理学やブラックホールの研究で先駆的な役割を果たしました。

オッペンハイマーはロスアラモス国立研究所の初代所長として原爆製造研究チームを主導し、世界で最初の原爆を開発しました。

しかし、原爆の使用による広島・長崎の惨状を知った後に水爆の開発に反対したことや共産党との関係が問題視されて、1954年に公職から追放されました。

彼はその後もプリンストン高等研究所の所長やエンリコ・フェルミ賞の受賞者として活躍しましたが、生涯にわたってFBIの監視下に置かれるなど苦難も多く経験しました。

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