ニワトリに残された唯一の「野性」
- 2023.04.28
狭い部屋に押し込まれ、平均なんと10日に8個の卵を産む養鶏場のニワトリは、もはや産卵マシーンと言っていいでしょう。
本来の繁殖期などすっかり忘れ、1年中ボコボコと卵を産み続けるニワトリには、野性の面影などほとんど感じられません。
あの「コケコッコー」にしてもそうです。
本来、オスの鳥がよく通る声で鳴くのは、繁殖期だけに限られています。
ニワトリの先祖であるセキショクヤケイも、繁殖期になると、自分の縄張りを主張し、メスを誘うためにけたたましく鳴きます。
ニワトリが1年中鳴くのは、家畜化されて品種改良が進んだためですが、ただ一つだけ野性の名残りがあります。
それは決して夜中に鳴かないこと。
敵を警戒する本能だけは残っているのでしょう。
危険な夜が明けない限り、安心して鳴けないわけです。