シロアリは木を栄養にできない
- 2023.05.27
人間が生きていくためには鉄分は不可欠な栄養素ですが、直接鉄を食べても栄養にならないのは、体の中に鉄を分解する働きがないため。
しかし、木をエサにするシロアリが、自分では木を分解して栄養にできないというのですから、これは何とも不思議な話です。
実は、シロアリの胃袋の中には、木を分解するトリコニンファという微生物がたくさんいて、シロアリが木を栄養分にできるのはこのトリコニンファのおかげ。
微生物が、シロアリの食べた枯れ木や枯葉の主成分であるセルロースを分解してブドウ糖にし、シロアリはそれを栄養分にしているのです。
つまり、共存共栄というわけ。
ちなみに、ウシの胃腸にも数十種類の微生物がいて、ウシの食べる食べものからタンパク質を取り出してくれています。
それも、1立方センチメートルあたり100万個というとんでもない数なのです。
こうした事実は、動物の糞を調べた結果、お腹にいる微生物が、糞と一緒に排泄されることから判明しました。
まさに、お腹の中からの手紙なのです。