「夜なべする」の「なべ」とは
- 2023.06.15
「かあさんの歌』(窪田聡・作詞作曲)という童話では、母親が夜に、子どもの手袋を編んでやる様子が歌われています。
この歌でも歌われているように、夜に仕事や作業をすることを「夜なべする」といいますよね。
ところでこの「夜なべ」とはいったい何のことなのでしょう?
子どものころ、「夜なべ」と聞くと、食べる鍋のことが思い出されて、囲炉裏の上につるされてグツグツと煮えている鉄鍋の映像が浮かんできたものです。
でも、私のこの想像、実は間違いではなかったのです。
この「夜なべ仕事」の語源として、有力な説の1つは、「夜、鍋ものを食べながら仕事をするという意味」というもの。
なんと、本当に食べる鍋ではありませんか。
ちなみに他の説としては、「昼の仕事を夜まで延ばす」あるいは「夜、遅くまで」という意味で、『夜延べ」から「夜なべ」になったなどがあります。
ちなみに、「鍋」という漢字、土鍋が多かった昔は土偏で「堝」と書いていたのが、金属製のものが増えて、しだいに金偏で「鍋」と書くようになったのだそうです。