サバンナのスプリンター、チーターの致命的な弱点
- 2023.06.23
陸上動物の駿足ナンバーワンといえば、チーター。
長い脚のつけ根は筋肉がよく発達し、 走るときもむき出しの爪がスパイク代わりになって、猛ダッシュをかけることができます。
その速さは、100メートルをわずか3秒台で突っ走るというもの。
人間のランナーが10秒を切れば超一流であるのと比べて、チーターの走りは驚くほど高速。
時速に計算すれば120キロにもなるのだから、高速道路のスピード制限にも引っかかりそうです。
とはいえ、この"時速"はあくまでも計算上のスピードにすぎません。
走り続けることなど、チーターには とうてい無理だからです。
実際チーターの持久力は、拍子抜けするほど劣っています。
時速120キロのスピードで走っても、15秒後には早くもパワーが急激に失われてしまいます。
ということは、チーターが足を生かせる距離は、わずか500メートル程度でしかないのです。
人間にとって500メートル競走は結構長いけれど、あの広いサバンナでの500メートルは、ほんの短距離にすぎません。
そのくせチーターには、狙う動物を一頭に絞り、絶対に変更しないという習性があります。
たとえ別の一頭が逃げるスピードを落とそうが、目の前を横切ろうが、これと決めた獲物だけを追うのです。
1頭めがけて全力疾走しているから、そう簡単には曲がることができないということでしょうか。
速さではサバンナ1であるにもかかわらず、持久力がなくて融通もきかないチーター。
それが災いして、食事にあぶれることも多いのか、年々頭数が減ってきているようです。