いまさら聞けない「アキレスと亀」
- 2023.08.07
アキレスと亀のパラドックスは、ギリシャの哲学者ゼノンが考え出したもので、彼の弟子であるアリストテレスが記述したものが今に伝わっています。
物語は、アキレスと亀が競走をする場面から始まります。
アキレスは非常に速く、亀は遅いとします。
しかし、アキレスが亀に追いつくためには、亀にある程度のハンデを与えなければなりません。
競争が始まると、最初の一瞬で、アキレスは亀のスタート地点まで到達します。
しかし、その間に亀も少し進みます。
そして、アキレスがその点に到着するまでに、亀はまた少し進みます。
このようにして、亀は常に少し先にいる状態になります。
アキレスが亀がいた場所に到達するたびに、亀は前に少し進み続けるため、アキレスは追いつくことができません。
この過程が無限に続くため、アキレスは亀を追い抜くことはありません。
このパラドックスは、無限の分割や極限に関する問題を提起しており、実際にはアキレスが亀を追い抜くことができるはずなのに、どうして追いつけないのかという疑問を呼び起こします。
同様のパラドックスには「飛んでいる矢は止まっている」があり、このパラドックスでは、矢が時間ごとにある点に存在していると考えられると同時に、その点は一瞬の存在であり、矢はその間に動いているという矛盾が生じます。
つまり、矢は動いているようにも見えるが、同時に動いていないようにも見えるという矛盾が生じるというものです。
これは時間や運動の性質についての考察を呼び起こす重要なパラドックスの一つです。
このような哲学的なパラドックスは、古代から現代に至るまで、数学や物理学などの分野で研究され続けています。